Last Journey(74)ローマの休日2日目
昨夜は珍しくカメラを持って、ホテル近くをぶらぶら撮影。何気なく立ち寄ったレザーショップの店主と話し込むことに。彼はこの店の三代目で、創業から50年以上。ハンドバッグはオリジナルで、小物は仕入れだそうです。50年といえば、JOYと同じ歴史。ふと自分の財布を見れば、ボロボロ… その場で「ローマの記念だ」と新しい財布を買ってしまいました。
ローマ滞在2日目は、まずカラカラ浴場へ。実はファーストジャーニーのとき、ここで見学したあと、自称ブラジル人に騙されて10万円取られたという因縁の場所。だから「あのとき撮った写真の場所を探そう」と思ったのです。ところが、スタッフに見せたら「あー、ここじゃないね」と一言。あらら… 50年の記憶も、石造りの遺跡みたいに永遠ではなかったようです。まぁ、せっかくなので記念撮影。
次に訪れたのは、『ローマの休日』でお馴染みのサンタ・マリア・イン・コスメディン教会。お盆の時期とあって、日本人観光客がいっぱい。みんなのお目当ては、もちろんオードリー・ヘップバーンになりきった、あの名シーンのポーズでした。
それにしても、ローマはこの日も猛暑。ランチには、たまらず冷房の効いたレストランを探し、イタリア最後の日ということでやはりラザニアを注文。前回も美味しかったけれど、今回も大正解! 私はすっかりラザニアファンになりました。
そして、ふと思いつきが。あの夜、騙されてローマ駅近くに放り出された私は、真っ先に駅の警察署へ駆け込みました。そこで助けてくれた警察官にお礼を言いたくなったのです。駅で若い女性警察官に話すと、「じゃあ私がそのお礼を受け取るわ」と笑顔。でも「いや、やっぱり警察署そのものへ行きたい」と伝え、教えてもらった場所へ。
辿り着いたのは駅の端の端。「ここまで来るの、問題を抱えた人には結構ハードル高いよなぁ」と思いながら記念写真をパチリ。50年前のあの警察官の仕草が、今も忘れられません。「なんで日本人はこんなに騙されるのかなぁ?」という表情と、「どうにもできないよ」という、あの諦めの顔。
こうしてローマの休日2日目の夜は更けていきました。もうローマにも、イタリアにも、イタリア人にも、何の蟠りもありません。今はただ、「また来てよかった!」と思える、大好きな街になりました。