Last Journey(63)モーツアルトの街でハルニレ
ザルツブルクといえば、やはりモーツァルトの街。そして今は「ザルツブルク音楽祭」の真っただ中。世界中から観光客が訪れ、この街全体が音楽に包まれています。
そんなザルツブルクに、帯広出身のピアニスト・加藤麻理さんがいます。加藤さんは5歳で帯広の才養音楽教室に通い始め、帯広柏葉高校を卒業後、1988年に渡欧。ケルン音楽大学を最優秀賞で卒業し、ハノーファー音楽大学院でさらに研鑽を。フォルクヴァング音楽大学(ドイツ)で非常勤講師を4年半務めた後、当時100倍だったザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学の採用試験に合格し、講師をしています。私に言わせると、努力の人です。
昨夜、その加藤さんが出演された室内楽コンサートに行ってきました。会場は、歴史あるミラベル宮殿教会。荘厳な雰囲気の中、なんと今回は私のハルニレの写真とのコラボレーションが実現。会場にはパネル写真が十数点、美しく展示されていました。自分の写真がこうして海外の格式あるホールに飾られている光景に、胸が熱くなりました。
加藤さんの演奏は、まさに圧巻。小柄な体からあれほどのエネルギーと繊細さを兼ね備えた音が出るとは! 共演のチェロ奏者も非常に素晴らしく、音楽に酔いしれるひとときでした。
そしてコンサート後、もうひとつのサプライズが。アメリカからの旅行者の女性が、私の写真を1枚購入してくれたのです。写真集も買ってくださる方もいて、思わず夢が広がりました。いつか本格的に海外で写真展を開催したい! そんな思いが強くなった夜でもありました。
さらに嬉しかったのは、加藤さんがディナーをご馳走してくれたこと。向かったのは、地元で人気のレストラン。私が注文したのは、憧れだった「ヴィーナーシュニッツェル」。子牛の肉カツです。50年前の旅ではとても手が届かなかった味です。半世紀の時を超えてようやく味わうことができました。
そして、急きょFM-JAGAに私と一緒に加藤さんに出てもらいました。いい雰囲気のトークでした。ザルツブルク滞在中、加藤さんにすっかりお世話になりました。