Last Journey(38)列車での出会い -1-
アムステルダムからドイツ・ハンブルグへの列車の旅が始まりました。乗り込んだコンパートメントに入ると、男の子が顔をくしゃくしゃにして大声で泣いていました。お父さんに事情を聞くと、なんとアムステルダム駅にカバンを忘れてきたとのこと。列車はすでに走り出していて、カバンの中には大事なカードや小物、現金も入っていたそうです。
一家はアルゼンチンから来た旅行者で、ご夫妻は歯科医。そんな絶体絶命のときに現れたのが、オランダ人の列車スタッフ。「私に任せなさい!」とばかりに電話をかけまくり、ついに駅にカバンが残されていることを突き止めました。
とはいえ、旅を続けている家族がそれを受け取るのは簡単ではありません。でも幸運なことに、彼らの友人もヨーロッパを旅行中で、アムステルダムに立ち寄ってくれることに。無事に一件落着! 私は思わず「あっぱれ!」と声を上げ、記念写真を撮らせてもらいました。
泣いていた少年の笑顔が、今度は本当に輝いていました。そして、このことがきっかけで、Rheine駅で列車を乗り換えるまでご夫妻と楽しい会話が続いたのでした。
2025.07.25 22:36